うるさいいびき、寝言は気になりますよね。
これらの睡眠時の行動は遺伝的なものなのでしょうか?
いびきと遺伝
直立歩行と複雑な言葉を話す人間は、いびきをかきやすい動物と言えます。
四足歩行の動物では脊椎が背中側にありますが、間では直立して歩行するために脊椎が正中にあります。
さらに複雑な言葉を話すために多数の筋肉が組み合わさった口腔や咽喉組織をもっています。こうした構造は日中、覚醒している際にはいいのですが、就寝すると脊椎が正中にあるために他の動物に比べて半分ぐらいになった上気道のスペースに複雑な言葉を生み出すための筋肉組織が押し込められ、上気道が狭くなるので、いびきをかきやすくなります。
いびきが起こりやすい顔の形がある
ただし、いびきは肥満や顔の形によってかきやすい人とかきにくい人がいます。
一般的にはいびきや睡眠中の無呼吸は、肥満との関係が知られていますが、肥満であるからといって、いびきや睡眠中の無呼吸が生じるとは限らず、また、?せていても顔の形によって、いびきや睡眠中の無呼吸が生じます。
顔の形で、下あごが小さかったり、後退傾向があると、構造的に上気道のスペースが狭くなるので、いびきや睡眠中の無呼吸が起こりやすくなります。
特に男性では女性に比べて構造的に上気道のスペースがつぶれやすく、また、女性では女性ホルモンが筋緊張を高めて上気道のスペースを保つので、男性の方が女性よりもいびきや睡眠時無呼吸が起こりやすくなります。
また、女性でも女性ホルモンの減少する更年期以降はいびきをかく人が増えてきます。もちろん、顔の形は両親と似ているわけで、両親がいびきをかいていれば遺伝して、いびきをかきやすくなります。
寝言と遺伝
次に寝言と遺伝との関連を考えてみます。実は寝言に関する研究はほとんどありません。
睡眠研究は、ヒトが眠っている間の記録や観察を必要として、その労力は大変であり、病気とは言えない寝言に関心をもつのは、ほんの一握りのオタクのような研究者しかいません。
寝言の研究で、徹夜して被験者が寝言を言うのを待っていても、朝まで全く寝言はなく、なかなか努力が報われた研究にはならないということもあるようです。
こんなわけで寝言に関しての研究はあまり進んでいませんが、寝言や夢遊病行動、夜尿には家族発症があり、特に夢遊病行動には遺伝的な要因の影響が強いと考えられています。